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2013年02月16日

KENWOOD TS-990 商品発表会

 JA6WBR、宮崎です。

 今月末、ケンウッドから最高級機TS-990が発売されます。
 TS-950以来、20数年ぶりの発表とあって、昨年のデイトンでの発表後「いつ発売されるのか」「いくらになるのか」とたくさんお問い合わせを受けました。1月には価格も決まり、プレカタログが配布、2月末の発売に向けて予約も開始されました。

 発売に先立ち、2/14日に西日本の販売店向けの「TS-990商品発表会」がJVCケンウッド大阪事務所で開催されましたのでクマデンからは僕が参加しました。
 実機にも触れて、たくさん話も聞いてきましたのでご紹介いたします。ケンウッドの「本気」が少しでも伝わればと思います。

KENWOOD TS-990 商品発表会

 会場には西日本の有名販売店から猛者がたくさんいらしておりまして、僕のような若輩者はドキドキしながら座って神妙に聞き入るばかりでした(^^;;; 一同にあれだけ販売店が集まる機会というのも貴重な機会です。ほんと、有名なお店ばっかりで……
 発表会では、営業部から「我が社のDNAは無線です」「年に2機種ずつ新製品を発表します」と心強い発言。今後のラインナップの充実に期待が膨らみます。
 続いて、今回の開発責任者の鳥井さんからの挨拶。1980年に入社され、最初はTS-130のVFOドリフト対策から、その後R-600、R-2000、TS-440、TS-790、TS-850と受信部分の開発を手掛けられ、TS-50、TS-570、TS-480、TS-590と開発責任者を歴任された経歴をお持ちです。
 TS-590からは開発手法そのものからの見直しを計られ、今回発表されるTS-990にもその手法が活かされています。
 20数年ぶりの最高級機の開発においては過去のTS-900のデザイン復活の希望の声などを挙げられた上で、「過去をまねることはしない」と、より進化させる姿勢を明確に示されていました。また、他社の先行機種を踏まえたうえで、「最後に土俵に上がる」機種としての気合いが伝わるお話でした。

 その後、機能説明、質疑応答・その後3台の実機を使用した試聴会がありました。

KENWOOD TS-990 商品発表会

●メイン表示パネルの液晶化・タッチパネル動作
 表示部分が2つのカラー液晶スクリーンになっているのが、TS-990の外見上の最大の特徴となっています。
 他社の機種でも続々採用され、すっかりおなじみになった感もあるカラー液晶画面ですが、TS-990ではさらに下1/3程度にあたる部分(ウォーターフォール表示部分)に感圧式タッチスクリーンを採用しています。最近のスマートフォンなどではタッチスクリーンといえば静電容量式が主流ですが、無線機で採用するためにはノイズ元となるので感圧式を採用したとのことです。
 一見して非常にわかりやすいデザインとなっており、たとえば送受信の音質調整イコライザ画面などは、カーオーディオ等で培われたケンウッドならではのセンスの良さが感じられます。アナログメーターも再現されていますが、影まで表現したデザインで遠目に見ると本物のように見えます。動きの再現もかなり苦労されえたようです。
 面白い機能としては、すでにあちらこちらで紹介されていますが、TS-520ライクな目盛りをダイヤル上の画面に表示できたり、9R-59のような受信画面を表示できたり、歴代900シリーズの画像をフォトストリーム形式で表示するスクリーンセーバーがあったりします。残念ながら現時点では画像の入れ替えはできないようです(^^;;;

 スクリーンの下部と右側には各種操作ボタンがありますが、この配置は人間の視線の動きを踏まえたものとなっているそうです。また、ボタン配置は敢えてディスプレイ方式に長い歴史があるアイコム機に似せてあるそうなので、アイコム機の操作に慣れた方にも馴染みやすいようになっているそうです。

●CWオートチューニング機能
 CW運用時、前面の「CW.T」を押すことで、相手の周波数に自動でゼロインしてくれます。かなり精度を上げる努力をされたそうで、わざとずらして合わせてみましたが、一発で合うのはなかなか面白いです。また、ウォーターフォール画面をタッチすることで目的の周波数にQSYしますが、そのまま長押しすることで同様にチューニングが動作します。

●クイックスプリット機能
 スプリット運用時、「M>S」、「M/S」のほか、サブTXを長押し後、たとえばテンキーの「2」を押せば+2kHz、「5」を押せば+5kHzと、簡単にスプリット時のUP/DOWNをすることができます。DOWNの場合は「02」などと押します。なお、テンキー動作の場合はテンキーのバックライトが点灯します。普段のバンド変更ボタンとして振る舞う場合は消灯していますので見間違いが少なく、細かいところに気配りが効いています。また、ダイヤルの周囲にメインとサブのTX/RX、スプリット関連の機能が集められており、大変よい操作性です。

●充実したUSBコネクタ
 前面にUSB-Aコネクタ2つ、背面にUSB-Bコネクタ1つを装備しています。前面にはキーボードやUSBメモリを接続し、FSK/PSK運用時や、USBメモリに受信の連続録音ができます。背面はPCコントロールソフトウェアやファームフェアアップデート、そしてUSBオーディオ(入出力ともに対応)に使用します。PCからのデジタルモード運用も簡単です。
 なお、録音については本体のみでも可能。過去のオプションVDS-1よりも高ビットレートで高音質な録音が可能です。

●前面にパドルキーヤー端子、背面にパドル、縦ぶれキー、PCキーイング用の端子を装備しています。

●充実のコネクター類
 過去の資産や、サードパーティ製のオプションを活用するための背面端子類が充実しています。TL-933なども接続可能です。また、USBだけではなくRS-232Cも装備されています。

●光デジタルインターフェース
 S/PDIF仕様の光デジタルインターフェースを入力・出力とも装備。HiFi SSBなどの需要にも対応しています。

●FSK/PSKデコード・エンコード対応
 FSK/PSKのエンコード/デコードも可能になっています。PSK63まで対応とのこと。USBキーボードを接続しての文字送出ができます。同調画面はMMTTYのようにXYスコープも表示されたりと、PCからの操作に慣れた方にも馴染みやすいものとなっています(AFスコープはモードにかかわらず常時ダイヤル上に表示可能)。なお、FTDX3000で採用されたCWデコードについては、デコードの誤解読率が高いために搭載しなかったそうです。

●受信部
 近年の機種ですので、DSPの性能も重要です。TS-990ではメインのIF-DSPとバンドスコープにアナログデバイス社の第3世代SHARCプロセッサである、ADSP-21363(333MHz/2GFLOPS)、サブのIF-DSP/信号処理用にADSP-21369(266MHz/1.6GFLOPS)を採用しています。
 メイン受信部は第一IF周波数8.248MHzのフルダウンコンバージョン、サブ受信部はTS-590をブラッシュアップしたものとなっています(第一IF周波数11.374MHz)。
 SHIFT/WIDTHは、SSB/AM/FMモードではHI CUT/LO CUT(スロープチューンですね)として動作します。このあたりはKENWOODのこだわりですね。昔の機種のスロープチューンは使いやすいなあと感じていたので。
 IF NOTCHは、最新機らしく、オートノッチがよく効きます。さらに、複数の弱いビートに対して対応できる、ビートキャンセル機能も搭載されています。今回、この機能を試す場面はありませんでしたが、気になる機能でした。
 個人的に特筆すべき点として、ノイズリダクション機能(NR)が秀逸でした。いっぱいに効かせても音声がフワフワしたり篭もった感じになりにくく、感心しました。

●充実したバンドスコープ機能
 バンドスコープ機能は、従来の周波数-信号強度のバンドスコープに加え、ウォーターフォール表示を組み合わせて表示可能です。
 組み合わせ表示はK3のオプションで採用されたり、SDRソフトウェアなどではすでに当たり前になっており、お馴染みの表示かと思いますが、実際たいへん便利な機能です。また、プリアンプのON/OFF等、受信部側の操作と関係なしに、独立したバンドスコープ部のみでの感度調整が可能になっており、コンディションに合わせて見やすい表示に調整することができます。

●多数のボタンとツマミ
 今回、前面パネルのボタンが100個以上あるそうで、「とても使いこなせない!」とお思いの方もあるかと思いますが、この点はKENWOOD社内で十分検討を重ね、配置されたものだそうです。極力メニューモードを使うことなく、少ない動作でスムーズにTS-990の多彩な機能を呼び出すことが可能です。メニューモードでは、さらに細かい設定が可能ですが、基本的にはパネルのボタン操作のみで快適に使用できるようになっています。個人的には、2~3日で慣れるのではないかな……と(^^;;;

●質感など
 大きさは、前から見ると、ステーションモニタをつけた状態のFTDX5000とだいたい同じサイズになります。奥行きも同じくらい。
 塗装もしっかりしており、いかにも最高級機然とした感じ。各ツマミは形状が伝統のKENWOODツマミなので安心です(笑)ダーククロームのメッキが高級そう。メインダイヤルは重量感がありつつ、とてもスムーズに回ります。
 普段FTDX5000をつかっていると、ついAFボリュームを触るつもりでCW PITCHを操作しそうになりますが(^^;、KENWOODユーザーの方にとっては、あるべき場所にあるべきツマミがあるのではないかと思います。

 持ち時間は各店10分だったのですが、最後まで残って他の方々への説明などを聞いたり他の販売店の方とお話したりと、実機を堪能しました。それでもさらっと触った程度で、まだまだ触り足りない印象です。
 今回、試聴会での説明のなかで、たくさん「他社さんの」という言葉を聞きました。先行機種を意識しつつ、最後に発売する気概が感じられました。先行機の良いところをたくさん取り入れ、そのうえでKENWOODらしさを発揮する。まさに「満を持して」の発表だと思います。

 なお、来月3月3日に第12回西日本ハムフェアーでは国内初の実機展示があるそうですので、お近くで興味のある方は是非ケンウッドブースまで足をお運びください。ちなみにクマデンも近くで出展しております(重要)。

 

タグ :TS-990KENWOOD

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Posted by クマデン at 18:48│Comments(4)アマチュア無線
この記事へのコメント
クマデンさんにも展示して下さい。(受注生産品かな?)欲しいリグですね。
Posted by KEN at 2013年02月18日 23:19
受注生産ではないと思いますよ。ただ、在庫切れになると次回納期まで待たされるかも?です。いいですねえ、欲しいですよねえ。展示したいですねえ……でも高いんですよ……(JA6WBR)
Posted by クマデンクマデン at 2013年02月19日 23:58
大変詳しいレポートを有難うございます。
参考になりましたしメーカの前に出る姿勢に勇気づけられます。
私のおなじみ店の店主も参加されました。
ひとつ気になるのは電源の事です。
「990」では電源モードの概念が導入され、即ON,と少ししてONのモードが選べるとのこと、これで待機電力が大幅に節約出来ます。7700ユーザですがこの点不満でしたが見事に解決しています。
Posted by JA4EVH at 2013年02月20日 09:55
 中国地方からもたくさんいらしていました。
 ここ2~3年、KENWOODさんが元気を取り戻しつつある気がします。
 新機種発表というのは、販売店もワクワクして、大変いいものです(笑)

 電源について書き忘れておりました。
 電源部のファンは、即ONの状態だと常時回転(たしか設定でOFF可能です)だったと思います。パソコンで言うところの「サスペンド」のような状態ですね。3~4秒で復帰した記憶です。
 完全OFFからの場合は、起動時間が少しかかるようです。アイコム機の初期化時間程度だったと思います。
 起動時、メッセージの設定(初期値HELLO)も可能です。
 
 いいリグです。ご検討ください。
Posted by JA6WBR 宮崎 at 2013年02月20日 11:12
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
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